中小企業の経営者として、ついつい見栄を張って自社を大きく見せたがったり、儲かっているふりをしたり、やたらと事業を広げすぎたりしていませんか?
目先の利益より“永く続く”会社を増やしたい!
百年企業型経営コンサルタントの青木 忠史(あおき ただし)です。
【お坊さんを目指して日々精進中】
「中小企業と屏風は広げれば倒れる」等と言われている通り、中小企業の経営者は自社や自分を虚飾しがちなところがあります。
今回の記事では、永く続く会社“百年企業”をつくる経営者のあり方として、等身大の経営を心がけることの大切さについてお話ししたいと思います。
見栄を張ったり、事業を広げすぎることで起こるリスク
例えば、いい会社だと思われたいと見栄を張り、お客様に対しても、採用する社員に対しても誤解を与えるようなホームページを制作すると、クレームや早期退職の原因になります。
また、事業拡大においても、今の社内のリソースを冷静に見つめて、その上で適正な事業目標を持つことが大切です。
具体的には、適切な店舗経営責任者がいないのに、多店舗展開をしようとする中小企業経営者が大勢いますが、これは目標設定から完全に間違っています。
その後、即席で採用した責任者に店舗経営を任せて数ヶ月〜数年で退職されてしまうということを繰り返し、それでもまだ理解できていない中小企業経営者は重症です。
自社のありのままの姿を、いかにわかりやすく伝えるかを重視
一方、等身大の経営を心がけている経営者は、自社のありのままの姿を、いかにわかりやすく伝えるかを重視します。
例えば、ホームページは身の丈に合わせたシンプルな表現を意識し、ありのままを伝えるために、現場の社員をそのままホームページに出します。そのため、社員たちも「自分がこの会社の人間だ」と、自覚が芽生えてきます。
採用時においても、現状をそのまま語っても、求職者に自社の強みや魅力を感じてもらえるような伝え方を意識してみましょう。現状そのままを、いかに魅力的に表現するか、この点が入社後の社員の活躍にとっては、極めて大切なのです。
また、販売においても、お客様から透かし見られている会社の実態を、開き直って見せるようにし、その上での魅力づくりを考えることが極めて有効です。
社内マネジメントでも、社長が、さも物知り顔で、立派な経営者のように表現する方も多いものですが、それも不要です。社長も社員も会社のステージも、まだまだ未熟な段階にあるのです。
それを全員で理解した上で、経営に取り組んでいく。それが中小企業の等身大であり、永く続く企業だとも言えます。
等身大を表現していくオンリーワンブランディング
等身大の姿をシンプルに表現すると、その会社に共感してくれるお客様を集客できます。
そうしたお客様に満足してもらうために、自社の製品やサービスについて徹底的に考えて仕事を行う、そうすることで、感謝と信頼という良い影響がたくさん返ってくるわけです。
自社を等身大で見つめ、その等身大を表現していくオンリーワンブランディングといえるでしょう。
外に映って反射している自己を見つめる
鎌倉時代の僧で、曹洞宗の開祖である道元が執筆した仏教思想書の中に、「自己を見つめたければ自己を限りなく欠落させて忘れて、自分が接するまわりの目に映る自分の姿をつぶさに観察し続けることである。そこに本当の自分が映し出されている」という意味の言葉があります。
自分がまわりからどう見られているのかを常に認識することを心がけて、自己認識することが成長につながっていくのです。
このロジックは商売そのものにも完全に当てはまります。社会に映っている自社自身の姿を知り、自分たちに向いたお客様を確実に見つけて、その人たちにアプローチをすることです。
多くの中小企業はライバルを敵視し、負けないように燃えますが、そんな必要はありません。道元の教えのように、外に映って反射している自己を見つめればいいのです。
経営戦略は、等身大の自分を知ったあとで生まれるもの
等身大の自分を知ることは経営でも重要なことで、戦略はそのあとで生まれるもの、といっていいでしょう。
百年企業型の経営を目指すには、常に等身大を意識した商売をすることが重要なのです。
様々なシチュエーションにおいて、見栄を張り過ぎず、等身大を魅力的に表現していくことに専念していくようにしましょう。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。