物事に悲観的で、ネガティブ思考になってしまうのをなんとかしたいです

お坊さんを目指して日々精進中。百年企業型経営コンサルタントの青木 忠史(あおき ただし)が、フォロワー様・読者様・お客様からいただいたお悩みに向き合います。

回答者情報

青木忠志(あおき ただし)

■経営コンサル歴20年|元警察官
■日本建築塗装職人の会 会長
■父の借金6000万円を3年で完済
■700社以上の中小企業へ”非上場の百年企業型経営”を指導

目次

今回のご相談内容

何もかも悲観的に見てしまうため、物事を楽しめません。ネガティブな考え方をなんとかしたいのですが、どうしたらいいでしょうか?

青木 忠史

ネガティブには、
ネガティブ向きの役割がある!

あなたは物事を悲観的にとらえることが習慣になっているのでしょう。ネガティブ思考という「志向性」が定着してしまい、どんなに頑張ってもなかなか自分を変えられないのだと思います。

ネガティブな人とポジティブな人の違い

ネガティブな人間とポジティブな人間の違いを考えてみると、ネガティブな人は過去の話ばかりする傾向があります。自分の失敗を引きずったり、人の過ちを指摘し続けてしまったり、ネガティブな出来事ばかりが印象に残り、過ぎたことにとらわれてしまうのです。

一方ポジティブな人は、そこまで過去を振り返らない傾向にあります。明日のことや来週のこと、来年のこと、人生の夢など、常に未来を見て生きているのです。

ポジティブ思考が正しいわけではない

一見、ポジティブな人の方が理想的な生き方をしているように思えますし、「ネガティブな考え方から脱却したい」というあなたもそう感じているのでしょう。

しかし、必ずしもポジティブ思考が正しいとは言い切れません。特に仕事においては、「適材適所」という言葉があるように、特性によって向き不向きがあります。

例えば、会社経営者の例を挙げると、成功を目指して一直線に突き進む、誰が見てもポジティブ思考の持ち主の経営者がいます。

彼と経営会議をした際に、「先月の振り返りをお願いします」と聞いたのですが、しばらくポカーンとしているだけで、一向に答えが返ってきません。「どうしたんですか?」と促してみると、「人生振り返らないスタンスでやってきたから、振り返り方がわからない」と言うのです。幸せな生き方かもしれませんが、会社の経営者としては理想的とはいえません。

彼のように、過去を振り返らずに前だけを見たいという人は、経営者というよりも、新規開拓の営業や新技術の開発など、新たな世界を切り開いていく仕事の方が力を発揮できる可能性があるのではないでしょうか。

ネガティブの人が向いている仕事は?

逆に、ネガティブな人がその特性を生かせる仕事もあります。わかりやすい例を挙げると、会計や銀行員などの数字を扱う仕事、あるいは職人などのプロフェッショナル的な仕事です。

数字を扱う人は間違いがあってはなりませんから、問題点を徹底的に見抜く力が求められます。また、職人仕事のように繊細な作業は、「これできっと大丈夫」という感覚では務まりません。

ネガティブ思考が強ければ強いほど、活躍できる世界もあるのです。

ポジティブもネガティブも一長一短

ポジティブとネガティブの良い面、悪い面を踏まえた上で、それでもポジティブな生き方をしたいと思うのであれば、まずは過去のことを振り返るのをやめて、未来を見ることを意識することから始めてみましょう。

昨日のことを考えそうになったら明日に目を向ける。去年の失敗を思い出したら来年の目標を考える。そういう意識を持つだけで、考え方は大きく変わるはずです。

逆に、どうしても悲観的な考え方を拭えないのであれば、ネガティブ思考を生かせる仕事に就きましょう。

ネガティブ=問題点を発見できる力としてとらえ、自分にとっての「弱み」を「強み」に変えてしまうのです。

それに、内にこもりがちな人は、一つのことを追求し、プロフェッショナルになれる素質を持っています。もしあなたが追求している趣味や特技があるのなら、そこをヒントにしてみましょう。ゲームが好きならバグを修正するエンジニア、本が好きなら誤字を正す校正者など、問題点を見つける力が求められる仕事はたくさんあるのです。

覚えておいていただきたいのは、ポジティブ思考もネガティブ思考も一長一短だということです。ネガティブな人はポジティブ思考に憧れを抱きがちですが、ポジティブだからといって、必ずしもいいことばかりとは限りません。

そのことを念頭においた上で、あなたのこれからの生き方を選択してみてください。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

目次