【後継者の育成計画】百年企業の経営者は40代で後継者に任せ、任せてから育てる

pagoda temple surrounded by trees

後継者育成の計画は立てていますか?百年企業はだいたい20年くらいで代替わりしています。

青木 忠史

目先の売上なんて忘れてしまえ!
百年企業型経営コンサルタントの青木 忠史(あおき ただし)です。
【お坊さんを目指して日々精進中】

百年企業の政治版ともいえる「長期政権」といえば、265年間続いた江戸時代でしょう。徳川家の将軍は15人で、長短ありますが単純に割り算すると一代が17〜18年。このように短期で代替わりをしたため、長期政権を維持できたとも言われています。

冒頭でもお伝えした通り、百年続いている企業も20年ほどで代替わりをしているという会社が多いのです。

目次

創業者が40代のときには、もう次の経営者に任せる

長続きしている中小企業では、経営者の15〜20歳下の人が後継者として育てられています。つまり、経営者が40歳なら後継者は20〜25歳ということです。

創業者が40代のときには次の経営者に任せられるようにし、任せてから育てるという方法です。

後継者への譲り方としては、先代があらかじめ事業継承の日を決めて、「○年○月に後継者に譲る」と告知しておきます。

告知しないと経営者本人も「いつかは譲らないといけないけど折を見て…」という漠然とした気持ちになってしまいますから、あらかじめゴールを決めておくわけです。

そしてその日を境に“会長”として“社長”を育てていくのです。

3つの分野で後継者の育成を計画する

後継者は以下の3つの分野で育成をします。

  • マーケティング戦略とサービス戦略を中心とした事業を通して稼ぐことについて
  • 計数管理や人的管理といったマネジメント領域。いかに人を活かすかについて
  • 新規事業開拓。変化の早い時代の中で、受け継いだ事業をただそのまま繰り返すのではなく、既存の商売に対して、なんらか新しさを付加して、新たな売上・販路をつくる

経営者になってからしか、この3つについての本当の学びは得られません。

そのため、早めに事業を譲り、任せ、自分は会長として新社長を補佐しながら、事業と後継者を育てていくわけです。

後継者である新社長の育成方法

育て方としては、まず、経営会議を実施すること。その上で「業務マニュアル」の整備をしておくことが最低限の必須条件と考えます。

そうすることで、新社長が成長していく間でも業務を回すことができるのです。

そして会長は、後継者がまだ習得していない部分や、自社の弱みとなっている部分を全力でフォローします。社員教育が弱ければ社員教育を、お客様フォローに抜かりがあるならお客様フォローに尽力するわけです。

つまり先代は、後継者に補助輪をつけて走らせながら、自分の社長時代にできなかった仕事を会長になってからやるということです。

代替わりを繰り返す度に強くなる会社を目指しましょう

事業を任された新社長はコア事業に集中し、会長がそれ以外の弱みを補強することで、代替わりを繰り返す度に会社は強くなります代々それを繰り返すことで、百年企業は強くなり続けていくのです。

ほかにも、たとえば会長になったら自身の役員報酬も下げ、あくまでも新社長が主役だということを周知させるなど、こまかなこともあらかじめ決めておきましょう。任せて育てる、とは覚悟と準備がいることなのです。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

目次