【百年企業の例】「ヨーロッパ軒」コアコンピタンス追求と保守的マーケティングの好例

青木 忠史

目先の利益より“永く続く”会社を増やしたい!
百年企業型経営コンサルタントの青木 忠史(あおき ただし)です。
【お坊さんを目指して日々精進中】

「百年企業型経営」は、誰でも取り組んでいける経営法です。特殊な能力のある上位数パーセントの人ではなく、しっかりと原理原則に則って経営に取り組んでいけば、9割の経営者が実現可能と言えるでしょう。

身の丈にあった手堅い経営で、永く続いている百年企業は、みなさんが思っている以上に身近に多く存在しています。

今回の百年企業の例は、1913年に東京都新宿区内で高畠増太郎さんが創業した飲食店「ヨーロッパ軒」をご紹介させてください。

創業後、戦争で焼失してしまったことにより、生まれ故郷の福井にて再び開業した「ヨーロッパ軒」。今は19店舗での展開。腕の良い料理人にノレン分けをして展開をしていると言います。

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「洋食としてのカツ丼」大正時代のコンセプトを現在まで引き継ぐ

一般的にカツ丼というと、卵とじのカツ丼をイメージしがちですが、福井では、卵とじのカツ丼よりもソースカツ丼の方が優位性を発揮して、多くのお店がソースカツ丼を提供しています。

その中でもやはり人気が高いのは、元祖・ヨーロッパ軒です。

カツ丼を洋食として捉えていた大正時代のコンセプトをそのまま現在まで引き継いでいます。

定番はカツ丼セット。カツ丼のカツ、パン粉、ソース、どれも食べやすく、自然と体に馴染んでいくようなおいしさなので、必ずクセになることでしょう。サラダ、お新香、お味噌汁もついてきますが、どれも絶妙な味付け。一切の手抜きなし。

ビジネスマン、カップル、家族と、幅広い客層でいつも満席です。

コアコンピタンスの追求と保守的なマーケティング

コアコンピタンス(他者/他社に真似できない核となる能力・強み)でもあるソースカツ丼を守るためでしょうか。ソース、パン粉の業者への卸販売もやっていない手堅さです。

福井に多くあるソースカツ丼を出す食堂とも明確な一線を画する美味しさです。

コアコンピタンスの追求と保守的なマーケティングの好例と言えるでしょう。

ぜひ、百年続く経営に敬意を払いつつ、ヨーロッパ軒のソースカツ丼を食べにいってみてはいかがでしょうか。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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