中小企業の経営者はなぜお金を貯められないのか?5つの原因と対策

A Person Holding an Empty Wallet

中小企業経営者の中にはお金が残っても、使ってしまうタイプの方がたくさんいらっしゃいます。そう、稼ぐ力と貯める力は別のものなのです。

青木 忠史

目先の利益より“永く続く”会社を増やしたい!
百年企業型経営コンサルタントの青木 忠史(あおき ただし)です。
【お坊さんを目指して日々精進中】

今回の記事では、なぜ中小企業経営者はお金を貯められない人が多いのか、その原因と対策を5つまとめてお話しさせていただきます。

目次

1. 営業利益率には業界標準値があると思い込んでいる

中小企業経営者は「今、うちの業界では営業利益は○%が基準であり、それ以上の利益は出しにくいのだ・・・」等という間違った概念を信じ込んでしまっています。

現実はそんなことはありません。常識を疑い、挑戦し続けましょう。

2. 経営には運転資金が必要と信じ込んでいる

経営には運転資金が必要であり、経営は誰が行っても金融機関から運転資金を借りて行うのが一般的であると思い込んでいませんか?

こちらも現実はそんなことはありません。支払いのタイミング変更や、身の丈にあった経営を着実に進めることで、運転資金は少なくても回せます。

大きく成長するためには、商売が小さな時期から自前資金で行う習慣が大切です。

3. 営業利益を出す “正しいやり方” を理解していない

税理士先生等が「経費削減」をしきりに指摘するので、経費削減意欲はありますが、肝心の1件単価アップ、原価管理など経営の中核部分に対しては、売上利益を高めていく努力をしていない。入るを量りて出ずるを為すともいえます。

「出る」はどの経営者さんも気を付けますが、忘れがちなのが「入る」を増やす方です。

まずは、月次の管理会計を実施し、低い損益分岐点での経営を心がけることを念頭に置きます。利益が出る状態を継続しながら、やや保守的にマーケティングをかけて売上を上げていくことと同時に、自己資本を少しずつ増やしていく努力をしましょう。

バランスの取れた努力をすることで、売上利益を高めていくことができます。

4. 経営の現実を見ていない

中小企業で退職金を出すためには、経営者自身が貯めておかなければならないという認識がないため、明確な内部保留目標を持っていない、そんな経営者がたくさんいます。

中小企業では30年勤めた社員の退職金は500〜1,000万円とも言われています。社員に長く勤めてもらいたいと考えるのなら、強い事業を創るだけではなく、現実的に社員の退職金も貯金していく覚悟を持ちましょう。

5. 社長が自分のことしか考えていない

中小企業経営者の中には、自分の生活費を稼ぐために「会社」という器を持っているという認識の方も多く、自分の生活費が多めに出せればそれでいいと考え、内部留保を貯めるということは考えていません。

会社は自分のためではありません。社会の「社」とは、土の守り神が起源の文字です。神様を祀るために集まったのが社会であり会社です。ことの起源から考えると、社会のために会社があるのだと思います。今から考えを改めましょう。

まとめ

中小企業経営者がお金を貯められない5つの原因と対策について、お話しさせていただきました。

  1. 営業利益率には業界標準値があると思い込んでいる
  2. 経営には運転資金が必要と信じ込んでいる
  3. 営業利益を出す “正しいやり方” を理解していない
  4. 経営の現実を見ていない
  5. 社長が自分のことしか考えていない

これらの間違った概念が、中小企業経営者がお金を貯めることができない原因です。これらを改めることで、誰でも本来お金を貯めていくことができるようになるものです。

お金を貯められる力をしっかりと養い、永く続く百年企業の経営者を目指していきましょう。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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