お坊さんを目指して日々精進中。百年企業型経営コンサルタントの青木 忠史(あおき ただし)が、フォロワー様・読者様・お客様からいただいたお悩みに向き合います。
青木忠志(あおき ただし)
■経営コンサル歴20年|元警察官
■日本建築塗装職人の会 会長
■父の借金6000万円を3年で完済
■700社以上の中小企業へ”非上場の百年企業型経営”を指導
今回のご相談内容
自営業をしているのですが、人に依頼されると断れず、どんどん仕事がたまっていきます。疲弊する現状から脱却したいです。
「器用貧乏」でおおいに結構です!
人に何かを頼まれるというのは、素晴らしいことです。あなたの能力を周りが認めているということですから、前向きにとらえましょう。
商売は「頼まれる」ことの積み重ねで成功する
自営業や経営者の場合、「頼まれない人」はまず成功しません。能力的に尊敬されていない証拠ですし、商売は「頼まれる」ことの積み重ねで成功するものです。
どんな理由であれ断ってしまうと、依頼主は他に頼める人を探します。そういうことを各方面にしていると、ビジネスチャンスも巡ってこなくなるのです。逆に、「大丈夫ですよ」と前向きに請け負う人は好感をもたれ、頼りにされます。
仕事でもプライベートでも、「頼まれる」ことは信頼されている証です。断れないことでお悩みかもしれませんが、私は決して悪いことではないと思います。経営者にふさわしい特性を持っていることを、まずは誇りに思ってください。
「頼まれるのはいいことだ」という前提で考える
子どもが、親の手伝いをして褒められると、嬉しくて「次は何をやったらいいの?」と、次々にお手伝いを引き受けていく、そんな光景をよく目にしませんか?(私もそんな幼少期の記憶があります。)
子どもと大人では仕事の規模は違いますが、基本の原理は一緒だと思います。
「頼まれるのはいいことだ」ととらえていれば、「次は何をすれば喜んでもらえるだろう」「どんな工夫をすればもっと頼んでもらえるだろう」という気持ちになれます。
見返りを得られないまま、需要と供給とサイクルを繰り返すから疲弊する
相談者様の場合は、「頼まれすぎる」ことで疲弊しているようですが、こう考えてみてください。
みんながあなたに「頼みたい」と思っているということは、あなたは他者のニーズをつかんでいます。それならお金をもらうなど、何かしらのお礼を要求すればいいのです。
世の中は需要と供給で回っています。あなたの能力に需要があり、それを供給として還元できているのなら、見返りを受けるのは悪いことではありません。
あなたは自分の努力に見合った見返りを得られないまま、ひたすら需要と供給のサイクルを繰り返しているのでしょう。それではタダ働きのようなものですから、疲弊してしまうのは当然です。
きちんとした仕事であれば報酬が設定されますが、あなたはおそらくそれ以外のタスクも抱え込んでいるのだと思います。しかし「頼まれると断れない」ため、経営者の仕事の範疇を出たタスクまで「頼まれる」のではないでしょうか。それでは、経営者としての給料だけでは割に合いません。
見返りはお金ではなくランチでもいいのです
見返りというとお金を想像してしまうかもしれませんが、社内での雑務でお金を請求するのは難しいと思います。それなら、「やっておくから明日のランチは奢ってくれ」というのはどうでしょうか?相手の心的負担にもなりませんし、あなたも気軽に言えるはずです。
1つのタスクに対する見返りとしては些細なものかもしれませんが、需要と供給のサイクルからは抜け出せると思います。そうやって「自分ばかりが負担を抱えている」状況から脱することが、疲弊から解放されるための大事なステップなのです。
相談者様、あなたは俗に言う「器用貧乏」な人です。様々な能力に長けている分、いろいろなことを依頼されて人一倍頑張っています。
ただ、あなたの感じ方次第で、その現状は良い方にも悪い方にも作用します。それなら「器用貧乏なのは自分の強み」くらいの気持ちでいた方が、ずっと気楽ですよね。
その素晴らしい特性を商売にも存分に生かし、ぜひ成功を収めてください。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。