物欲が止まらず、不要なものばかり買ってしまうのはなぜでしょうか?

お坊さんを目指して日々精進中。百年企業型経営コンサルタントの青木 忠史(あおき ただし)が、フォロワー様・読者様・お客様からいただいたお悩みに向き合います。

回答者情報

青木忠志(あおき ただし)

■経営コンサル歴20年|元警察官
■日本建築塗装職人の会 会長
■父の借金6000万円を3年で完済
■700社以上の中小企業へ”非上場の百年企業型経営”を指導

目次

今回のご相談内容

物欲が止まりません。時間があるとお店にいって不要なものばかり買ってしまいます。おかげで貯金も全然たまらず、将来のことを考えることもできません。

青木 忠史

あなたに足りないのは
「物」ではなく「愛情」ではないですか?

相談者様は、小さい頃、欲しいものを買ってもらえず我慢していたという記憶はありませんか?

私はこれまで多くの人と関わってきて、気づいたことがあります。それは「子どもの頃に親が物を買ってくれず、『愛されていない』と感じていた人は、大人になってから物で寂しさを埋めようとする」傾向があるということです。

欲しいものが手に入らない=愛されていないと思っていませんでしたか?

子どもの頃の物欲の根底には「自分を愛しているなら、欲しいものを与えてくれるはずだ」という意識があると私は考えています。

例えば「パパはいつも仕事ばかりで構ってくれない」「〇〇ちゃんはパパにたくさん遊んでもらっている」「パパは本当に自分を愛してくれているのだろうか」という不安があるとき、わかりやすい「物」というところに愛情の証を求めるようになりがちです。

「あれ買って」「これ買って」といろいろな物を親に要求し、それが叶えられないと「他の人は持っているのに、どうして私には買ってくれないの?」と泣きわめきます。

「欲しいものが手に入らない=愛されていない」という思いが鬱積した結果、大人になって自由にお金が使えるようになったときに、不足していた愛情を今度こそ「物」で埋めようとするのです。

私自身にも幼少期に同じような経験がありました

このことに気づいたのは、自分自身にも似たような経験があったからです。

私は母子家庭で、父親を知らずに育ちました。やがて中学校に上がって新聞配達のアルバイトを始めた私は、給料を使って大相撲に通うようになったのです。一升4万円くらいの升席を友達3人とお金を出し合って買い、当時全盛期だった千代の富士を夢中で応援していました。

今、振り返ってみると、私は千代の富士に理想の父親像を投影していたのだと思います。自分の幼少期に欠けていた「父親」という要素を、千代の富士という強くたくましい男性を追いかけることで、埋めようとしていたのです。

自由に使えるお金があると、人は子どもの頃の自分に欠けていたパズルのピースを埋めようとする傾向があります。しかし、無意識のうちに「愛情」というピースを「物」というピースに置き換えてしまいがちなので、多くの場合うまくはめ込むことができません。

いくらピースを買ってもパズルは完成せず、いつまでも「物」にとらわれ続けてしまうのです。

さらに大人と子どもの物欲には大きな差があります。子どもならおもちゃを欲しがる程度で済みますが、大人は万単位の物を求めます。宝石や服飾品から始まり、エスカレートすると車やマンションまで欲しくなり、出費は計り知れません。そんなことを繰り返していけば、貯金をためられないどころか、莫大な借金を抱えてしまう可能性もあります。

まずは「愛されたい」という本音に気づき、認めること

現状が悪化する前に一度立ち止まってみてください。「物」があなたの心を本当に埋めてくれているでしょうか?どれもあなたを満たしてくれないから、いつまでも無駄な出費を繰り返しているのではないですか?

それが「不要な物」だということに気付いているあなたは、ゴールのすぐ手前にいます。

物欲の連鎖から解放されるためには、まず「どんな物も自分を満たしてくれない」と気付かなくてはいけません。

そして、「自分が本当に欲しいもの」は何なのかを考えてみましょう。きっとその答えは、心の中にいる子どもの頃のあなたが教えてくれるはずです。「愛されたい」という本音にしっかりと耳を傾ければ、むやみに物を欲することはなくなるでしょう。

まずは自分を「愛する」ことから

愛されたい相手がいるのなら、その人をまずはあなたが愛してあげて、大切にしてください。

そして誰かを愛する前にまず、あなた自身が自分を愛することから始めてください。

外のものを手に入れて心を埋めようとするのではなく、自分自身で自分を満たすことを意識してみましょう。そうすることで愛されていない記憶は少しずつ消えていき、真の心の安定へと繋がっていくのです。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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