売上をあげるために、自社の実力以上のマーケットを選んでしまうことで、非効率なマーケティングや経営破綻にまで追い込まれる中小企業が多くあります。
目先の売上なんて忘れてしまえ!
百年企業型経営コンサルタントの青木 忠史(あおき ただし)です。
【お坊さんを目指して日々精進中】
今回の記事では、百年企業の経営者は、等身大の経営をしているという視点から、自社の実力や規模に合わせたマーケットを選ぶ大切さをお伝えしたいと思います。
自社の実力を見ずに、売上優先でマーケットを広げようとしていませんか?
自社を理解し、等身大の経営ができる経営者は、自社が提供できる範囲に応じたマーケットでシェアを高めていこうとします。
ところが、自社が見えていない経営者は、いかに売上をあげるかを優先させ、マーケットを絞らず、なるべく多くの人を対象にした経営活動をしてしまうのです。
気持ちはわかりますが、グッと堪えて、自社のサービス提供力を冷静に捉え、自社の規模に合わせたマーケティング戦略を立てましょう。
その戦略に基づいた商圏設定や広告展開をしないと、ほとんどが無駄打ちとなり、非効率なマーケティングになってしまいます。
百年企業の多くが “守りのマーケティング” を行なっている
百年企業の多くは、保守的なマーケティングを行なっているといえるでしょう。
積極的でチャレンジングなマーケティングによって、自社のコアコンピタンス(他者/他社に真似できない核となる能力・強み)が崩れたり壊れたりすることを防いでいるのです。
売上は「等身大プラスアルファくらいでよい」という考えで商売をしています。
いわゆる、“守りのマーケティング”ですが、サービス提供力に見合ったマーケティング戦略をする理由は、自社の組織が崩れてしまうのを防ぐためです。
供給可能な量を超えた需要に応えてしまうと、社員に残業を強いたり、休みを減らすなど、自社の組織全般にストレスを与えてしまうことになります。
社員から「社長は現場を見ていない」「無理な受注をしている」といった声も出てきて、会社そのものが不安定になっていきます。
サービス提供力に合わせたマーケティングを展開することで、お客様をじわじわと着実に増やしていき、同時に組織も安定させることができるでしょう。
急に新しいことを始めて経営破綻してしまう百年企業もある
突飛なマーケティングなどはあまりしない百年企業でも、7代目・8代目の経営者が急に新しいことをやり始めてバランスを崩し、経営が破綻するというケースもあります。
流行りのキャラクターとコラボレーションするために自社のコアコンピタンスとはかけ離れた商売をすることなどがそれにあたります。
その経営者から見れば、「もっと積極的に効率よくやれば売上も上がるし、会社も大きくなるのに、なぜやらないのか」という思いがあるのでしょう。その思いを遂げるためにコンサルタントに依頼し、自社にそぐわぬモチベーションアップの施策や新たなマーケット展開などをしてしまうのです。
結果的にそれが自社のサービス提供力を超えてしまうため、一時的に売上が上がっても、その後、積み上げてきたものが崩れてしまうのです。
お客様から信頼されるサービスを提供するためにも、自社のサービスの提供力に合わせたマーケティング計画を立てることはとても重要だと認識しましょう。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。