お坊さんを目指して日々精進中。百年企業型経営コンサルタントの青木 忠史(あおき ただし)が、フォロワー様・読者様・お客様からいただいたお悩みに向き合います。
青木忠志(あおき ただし)
■経営コンサル歴20年|元警察官
■日本建築塗装職人の会 会長
■父の借金6000万円を3年で完済
■700社以上の中小企業へ”非上場の百年企業型経営”を指導
今回のご相談内容
自分についても、他人についても、起こった出来事についても、ついつい悪い部分や嫌な部分ばかり目についてしまい、その度に自己嫌悪に陥ってしんどいです。
闇を減らすのではなく
光を増やそう!
悪いところ、嫌なところばかり考えていると、気持ちがふさいでしまいますよね。誰しも自己嫌悪に陥ることはあると思いますが、視点をちょっと変えるだけで状況は一変します。
人は悪い部分に目を向けやすい生き物です
人は「悪い部分を減らそう、なくそう」という心理にとらわれやすい生き物です。身近なところでは自分の欠点、仕事上のミスなどから始まり、交通事故や犯罪、疫病。さらにスケールを大きくすると、戦争もそうかもしれません。
「これがなくなれば、状況は改善されるはずだ」という考えから、ネガティブな“闇”の部分にばかり目を向けてしまうのです。
「闇」があれば「光」もあります
例えば、「闇」と「光」が世界に半分ずつあると考えてみてください。闇を減らせば、それだけ光の割合が増えます。
つまり「闇を減らす」のと「光を増やす」のは同じことなのです。それなら「光を増やす」と考えた方がポジティブですし、建設的な発想ができそうですよね。
警察官の経験を経て気づいたこと
私がこのことに気付いたのは、警察を辞めたときです。犯罪者から人々を守り、社会悪を「なくす」。それが警察官の務めであり、すべての警察官は正義感が強く、社会の「闇」を排除するために日々奮闘しているのだと思っていました。その憧れを胸に警察学校に入り、悪と戦う勇敢な警察官を純粋に目指していたのです。
しかし、現実は違いました。まず、犯罪者は必ずしも「悪」ではありません。私は警察学校から交番に赴任したのですが、他の業界と同じように新人は現場に回されます。
私の担当エリアは殺人事件が多く、凄惨な現場を何度も目にしてきました。そうやって様々な事件に関わっていくうちに、「犯人は『悪い人』とは限らない」ということが分かったのです。様々な事情があって、やむをえず殺人に至ってしまったというケースも多々ありました。
もちろん殺人を犯してしまったことは許されないことですが、「悪い人が罪を起こす」と信じていた若き頃の私にとって、このことは非常に衝撃的でした。
そして、警察官は必ずしもヒーローではありません。このことを痛感したのは、私が警察官を辞めるきっかけとなった事件でした。
ある日、私が勤務する交番に110番通報が入りました。通報してきたのは男性で、「激しい夫婦喧嘩で妻が殺気だっている」「危ないからなんとかしてください」ということでした。
私は上司と一緒にご夫婦のご自宅に伺ったのですが、ご主人が必死に助けを求めても、上司は「仲良くやってよ」となだめるだけで取り合いません。その後も2度の通報が入ったのですが、全く同じ調子でした。そして4度目の通報で、ついに奥さんがご主人を刺してしまったというのです。
幸いにもご主人は一命を取り留め、後日私と上司は事情聴取に伺いました。そして、ベッドに横たわるご主人から、か細い声で「だからあの時言っただろ」と言われたのです。
この時のショックは今でも忘れられません。人々を助けるために警察に入ったのに、私は何もできなかった。上司のように「事件が起きてからが自分達の仕事」と考えている警察官が評価され、出世している。そういった思いが交錯し、私は「闇を減らすのではなく、光を増やす仕事をしよう」と決意しました。
そして警察官を辞め、「光を増やす」仕事を追い求めて数々の職を転々としたのです。
「光」に目を向けた生き方
「闇」を減らすことは大切ですが、ネガティブな方向に引きずられると自己嫌悪に陥って、悪循環が起こります。また、かつて「犯罪者=悪人」と考えていた私のように、狭い視野で物事を判断しかねません。
一方で、「光」に目を向けた生き方というのは、何事においても「いいところを伸ばそう、増やそう」という気持ちや考え方を持つことです。
視野が広がって判断力も高まるので、「闇」に目を向けるよりも、あらゆる問題解決が容易になります。
まずは自分の長所を見つけて、そこを伸ばす努力をしてみませんか?
「長所なんて見つからない」という人は、身近な人に聞いてみると新しい発見があるかもしれません。
仕事では「デメリットなくす」のではなく「メリットを増やす」と考える。
どんなことも「光」基準で考えられるようになれば、あなたの人生は輝かしいものになるはずです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。