【百年企業の例】株式会社珍来総本店の「手打ちラーメン珍来」の歴史

青木 忠史

目先の利益より“永く続く”会社を増やしたい!
百年企業型経営コンサルタントの青木 忠史(あおき ただし)です。
【お坊さんを目指して日々精進中】

「百年企業型経営」は、誰でも取り組んでいける経営法です。特殊な能力のある上位数パーセントの人ではなく、しっかりと原理原則に則って経営に取り組んでいけば、9割の経営者が実現可能と言えるでしょう。

身の丈にあった手堅い経営で、永く続いている百年企業は、みなさんが思っている以上に身近に多く存在しています。

今回の百年企業の例は、1928年(昭和3年)から100年近く続く「手打ちラーメン珍来」でお馴染みの大衆向けラーメン店、株式会社珍来総本店をご紹介させてください。

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「珍来」のお客様を大切にし続けた歴史

「珍来」は個人経営の製麺業として出発しましたが、その後、店舗部門を持ち、ノレン分け制度によって従業員から独立経営者を輩出してきました。

現在27店舗。社員数110名とのこと。のれん分け展開のためか、ネットでの口コミではネガティブな意見も時々見かけますが、私の地元の草加は直営店で、オーガニックで美味しい料理でした。

私が地元に住んで通っていた頃、ネットの評価と同じで、ガテン系向きの量が多いお店という印象を強く持っていたのですが、東京に出ていろいろなお店を体験するうちに、珍来のラーメンは銀座の老舗中華料理店と同じ味がすることを発見しました。スープと麺とチャーシューの味がとても似ているのです。直営店のチャーシュー麺は、提供する器と環境を変えれば、高級店でも十分通用する味なのです。

しかし珍来が高級店にしないのは、珍来ブランドは大衆に受け入れられる味、珍来の信者のお客様を大切にする気持ちの表れなのではないかと私は思います。

幅広い客層に愛され続ける「珍来」

珍来のユニークなところは、もちろんガテン系は御用達ですが、学生、ビジネスマン、カップル、独身者、家族と幅広い客層です。草加市民なら、子供の頃に家族で珍来に行ったという思い出のある方も多いと思います。

家庭の延長線上にあるようなシンプルな味でも本質的であるため、家族でもわざわざ行くのでしょう。アンチもいるかもしれませんが、コアなファンはかなり多いかと思います。

メニューはチャーシュー麺、餃子、チャーハンがおすすめです。みそラーメン、坦々麺、うまに麺、炒め物系のセットメニューなども充実しており、価格も世間相場観を維持しています。この価格設定は、リピートしやすい「メニュー戦略」であり、私は毎日通えるラーメン屋だと思います。

珍来を一言で言うと「銀座の高級中華料理店の味がする老舗ラーメン屋。献立に困ったときは珍来に行こう」です。

これからも守っていくために通い続けたいラーメン屋です。

以上、今回は百年企業の例として、「珍来」をご紹介させていただきました。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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